娘に○×教育を受けさせたくなかった。だからバカロレアを選んだ
March 20, 2026
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○×教育を受けさせたくなかった
以前書いたニュージーランドでの衝撃。あれから約10年が経ち、娘が小学校に入るタイミングが来ました。
あの経験がずっと頭にありました。型にはまった○×を基本に教える日本の教育では、娘は世界で自由な教育を受けている子どもたちと戦っていくことができない。そう痛感していました。 でも、「じゃあ何を選べばいいのか」がわからなかった。色々調べた結果、たどり着いたのが国際バカロレア(IB)でした。自ら問いを立てて探究する力、多角的な視点、批判的思考力。IBが掲げる「ラーナープロファイル」には、Thinker(考える人)、Inquirers(探究する人)、Risk-takers(挑戦する人)、Open-minded(心を開く人)などが並んでいます。これは世界中のどのIB校でも共通の評価基準です。
読んだ瞬間、「これだ」と思いました。まさに私が求めていた教育像そのものでした。東京のインターからコペンハーゲン、そしてハーグへ
ただ、当時の日本でIBを受けられる学校は、インターナショナルスクールに限られていました。今でこそ日本語で受けられるIB校や公立の一条校も増えてきましたが、その頃は選択肢がほとんどなかった。
娘は東京のAobaインターナショナルスクールに通いました。その後、コペンハーゲン、ハーグと転校を繰り返しましたが、すべてIB校を選んだので、転校はかなりスムーズでした。カリキュラムの枠組みが世界共通なので、「前の学校で何をやっていたか」がそのまま引き継がれる。これは海外転勤の多い家庭にとって、大きな安心材料です。「DPから入ればいい」という誤解
バカロレアを初めて知ったとき、私は「せめてDP(高校に相当する2年間)にだけでも通わせたい」と思っていました。最後の2年間だけでもIBの教育を受けられれば、それで十分だろうと。 でも、実際に娘を通わせてみて、それがいかに甘い考えだったかがわかりました。
DPでは、完全に自立して自ら研究テーマを設定し、そのプロジェクトを完結させることが求められます。管理教育で育った子どもには、これがかなり難しい。実際、都立国際のDP学生からは「地獄のような2年間だった」という声も多く聞かれます。 英語メインの授業、批判的思考、毎日のように重なるテスト。いろんな要因が複合しているのでしょうが、根本的な問題は「自分で問いを立て、自分で答えを探す」ことに慈れていないことだと感じます。MYPの5年間が、すべての土台になる
今、娘はMYP(中学に相当する5年間)に通っています。実感として、この5年間があるかないかで、DPへの対応力がまるで違います。
MYPの1年目から、毎週のように重要なテストが実施されます。ボランティア活動も課せられる。2言語、場合によっては3言語での学習が求められる。そして最終学年には「パーソナルプロジェクト」という集大成が待っています。自分の関心があるテーマを選び、1年かけて調査・研究を行い、最終成果物を制作する。論文、アート作品、ビジネス計画、実験、Webサイト等々、形式は自由です。 つまりMYPの5年間で、「自分で問いを立て、自分で探究し、自分で完結させる」力を少しずつ熟成していく。その土台がないままDPに飛び込むのは、正直に言うと、地獄に突進するようなものだと感じます。日本のIB校に望むこと
当時は数校しかなかったMYP校も、現在は47校にまで増えました。DP校は79校。公立のMYP校も出てきているのは、素晴らしいことです。
でも、MYP校がDP校より少ないという現状は気になります。先ほど書いた通り、MYPの土台なしにDPに入るのは非常にチャレンジングです。どちらもどんどん増えていくことを、切に望みます。それでも、IBだけでは解決しない問題
IBを選んだことに後悔はありません。娘の成長を見ていて、この選択は正しかったと思っています。
でも、海外のIB校に通わせたからこそ見えてきた問題があります。それは「母語」の問題です。海外に出ればバイリンガルになれる、というのは幻想でした。その話は次回、詳しく書きます。
