それでも評価される日本、世界との融合
March 16, 2026
目次
① 80カ国が並んだ文化祭で起きたこと
娘が通う学校では、年に一回「International Day」と銘打った文化祭が開催されます。80カ国以上の家庭が在籍するこの学校で、各国がブースを出す。条件は全く同じ。お金があるから大きなブースを出せるわけではありません。 で、いざ始まってみると、面白いことがわかりました。 ほとんどの国のブースには、人が寄りつかない。出し物が食べ物なのか何なのかすらわからないブースも多い。イタリア、フランス、韓国、中国は食べ物が知られているので、それなりに人が集まる。 でも、日本は圧倒的に別格でした。 ほぼ全員が寿司を知っている。しかもカッパ巻きがビーガンに対応していることまで認識されている。さらにそこに漫画や着物といったカルチャーを組み合わせると、とんでもない爆発力を発揮する。行列が途切れることがありませんでした。 80カ国が同じ条件で並んだとき、日本は唯一無二の存在だった。これは世界のどこで開催しても同じ結果になると思います。食、カルチャー、サービスの質。これらが複合的に重なって、日本というブランドは他の追随を許さない。


② 片手間で始めた日本語クラスが、とんでもないバズり方をした
私の教室は、読書の教室とロジカルシンキングクラスが本業です。ただ、授業は夕方のみ。朝から夕方までのアイドルタイムを埋めるために、片手間で日本語クラスを始めました。 ところが、これがとんでもないバズり方をしたのです。

理由は人それぞれ。仕事で日本語が必要な人、日本映画が好きな人、台湾旅行の予定だったのに大阪でダイバートして、その滞在が感動的だったから日本語を学びたくなった人。理由の多様さに驚きました。 しかも、トライアル価格から50%値上げしても、誰も辞めない。 日本語への需要が、私が想像していたよりもはるかに大きかったのです。日本という国への興味と憧れは、ヨーロッパでは確実に高まっています。
③ グロービスの登壇で目の当たりにした、日本的経営への関心
3つ目は、グロービスのイベントでの経験です。 「ヨーロッパは日本的経営から何を学べるか」というトピックで、ヨーロッパ各地の会場で登壇しました。どの会場も数百人の応募。カルチャーだけでなく、ビジネスの領域でも日本への関心が非常に高いことを目の当たりにしました。

しかも、そのセッションを通して改めて知った事実があります。 200年以上存続している企業の半数は、日本にあるということ。 これは衝撃的でした。世界中のどの国よりも、日本企業は「続ける」ことに長けている。
「今」か「100年」か——価値基準の違い
この事実を知って、前回まで書いてきた「日本の遅さ」が、少し違って見えてきました。 欧米社会は「今」を基準に価値判断をしている。四半期決算、短期のKPI、スピード重視。一方で日本的経営は、「100年継続できるか」という時間軸で意思決定しているのではないか。 あの慎重すぎるとも言える稟議書文化も、前例主義も、もしかしたら「100年続けるための仕組み」として機能している面があるのかもしれない。 もちろん、それだけでは現代のグローバル競争を戦えない。だからこそ、「日本の強み」と「世界のスピード」の両方を持つ人材が必要なのだと思います。
子どもたちへ伝えたいこと
日本には、世界から評価される強みがある。食もカルチャーも、ものづくりの精神も、企業を100年単位で守り続ける力も。 でも同時に、その強みに安住しているだけでは世界とは戦えない。 日本の強みを活かしつつ、弱みを乗り越える力。既存の枠組みを疑い、新しい問いを立て、自分の言葉で考えを伝える力。それがロジカルシンキングだと私は考えています。 子どもたちへの教育を通しながら、「日本の強みと世界の融合」をどう実現するか。これは私自身が考え続けていきたい問いでもあります。
